2007年1月18日木曜日

NEWS(ニューズ)


 今日は、何があったの?
その疑問にロジカルに答えるのが、「NEWS」。日本語では、日本式の英語で、ニュースと呼ぶ。英語だと、ニューズになる。ズには濁点が付く。ニュースとは言わない。

 今日のイントロは,ニュースではなく,ニューズにテーマを絞ってみた。

 その語源は、「新しいもの」という意味だ。[新鮮さが命」と言ってもいい。生魚みたいだが、新鮮味に欠ければ、生きたニュースとは言えない。ニューズは「新しい、NEW」という言葉の派生語だ。

 気付いた事があるだろうか?
視点を変えて、NEWSという文字を見れば、N,E,W,Sという四文字のアルファベットで書かれている。
丁度、Nはノース、北、Eはイースト、東、Wはウエスト、西、そしてSはサウス、南を象徴している。
四方の、東西南北の、最新の情報という意味になる。
実際には、東西南北からだけではなく、新しい天体とか、惑星消滅、或いは地下のマグマの情報、海底火山の活動とか,上と下からの、気になる情報も在る。
ニューズの意味は深いのだ。

 ここで、いつもの日本語のニュースに戻ろうか。
 一般に、ニュースは、大抵の場合、悪いニュースの方が多いようにも見える。たまに新聞等をみると、楽しい、面白いニュース、天下泰平のニュースというのは、スポーツ欄、文化欄を除けば、どういう訳か少ない。それは、不安材料が余りに多いという事かもしれない。恐らく,それが現実なのかもしれない。

 又、人のマインドというのは、ネガティヴな事には反応するが、よほどのことは別にして、喜ばしい事や楽しい事には割と無関心だからかもしれない。だからといって,あら探しのニュースばかりでは,その姿勢が問われてしまうのだ。旅の情報であれ、又、自分の応援するスポーツ選手が、いい成績を出したり、持ち株の値段が上がったり、下がったりとか… 正確に伝われば,それで良い。良いことが、自分のことに関わるなら、有り難い。人のマインドというものは、そんなものかもしれない。しかし、何か一つテーマが出来ると、多様な次元が現れて来る。

 又、どんな最新のニュースも、伝わった時には既に過去のもの。古くなっている。
又、人が自然であるときには、ニュースは殆ど無い。
そんなときには、ニュースを知りたいとも思わない。
例えば、ダイヴィングやトレッキング、スポーツ、クルージング、旅を楽しんでいるとき、所謂、ニュースはどうでも良くなって来る。
目の前の現実が最も大切なニュースだからだ。世界のことはどうでも良くなってしまう。

 エネルギーが循環しているのだから、其れだけでも、素晴らしいし、喜びでもある。
でも其れこそが、その人にとっての、最新のニュースなのだ。
そのことで次元が変化していて、その時、人はマインドに同化していないからだ。
無心になっているからだ。状況を楽しむとはそういうことだ。
無心になれば、マインドとどいうものが、見えて来るというものだ。
だから、無心は、その人にとっての基軸であり、リアルなのだ。

 逆に、人のマインドにとっては、日が昇ろうが、そよ風が吹こうが、花が咲こうが、月の風情、自然の事はどうでもいい事なのかもしれない。
誰がどうして、何がどうなったのか方に興味がある。
詰まり、情報やニュースは人のマインドに作用する。それは反応だ。

 一方、自然は,無心に共鳴する。リアルなものや事に共鳴する。リクリエーション(再生)として付き合うからだと思う。マインドの特徴は、分析、分割、そして断片から断片へと、進み続ける。
だが,全体は、あくまで全体だ。それゆえ、真を知る為には、全く逆のプロセスが必要になってくる。無心,ノーマインドになって始めて全体像が掴める様になる。瞑想とは、一時的に、あらゆる情報を断つことだ。

 ニュースとなれば、大切なことは、内容が何であれ、事実を伝えること。
それがニュース、或いはニューズの命。
細工したり,何らかの慮り(おもんばかり)や思い込みが入ったら、正しいニュースではないし、センスも疑われる。
あくまで,中立でなければならない。
判断は,読者がするものだ。役割が違う。

 かつて、イギリス(U.K.)がフォークランド紛争の真っただ中にあった時、イギリスのBBC放送は、自国、イギリスへのえこひいきをしなかった。あくまで、中立を守ったことで名誉を守り、イギリスはもとより、世界中から高い評価を得た。クールで格好よかったのだ。そして、あらゆる、ジャーナリズムの鏡となった。これは、有名な話だ。

 もう一つ、面白い話がある。これはジャーナリズムとは関係がない。商売の話だ。
インドのジャイナ教徒と言えば、ユダヤ、中国(華僑)と並んで商売の達人と言われている。
今では、アジア、太平洋、アフリカ、欧米と商業や金融を発展させている。
以前、ジャイナ教の商売人(印僑)に「商売のこつ」に付いて尋ねたことがある。
細かいことは、職種によってそれぞれ違うし、一言で言うことは不可能だし、まして他人にいう事でもない。
姿勢を聞いたのだ。
曰く、
商売とは、「儲けることだけに非ず」、という。
では何なのか? 何の為に商売をするのか?
「商売人でなくとも、誰にとっても儲けることは良い。儲かれば嬉しい。当たり前の話だ。多くの家族が養えるからだ。だが,商売が儲かる為には、何が必要だと思う?」
一寸、返答に困った。
より、大きな視点で見なければならないからだ。
「それは、続けることだ。儲かろうと、儲かるまいと、続けていなければ、儲かることも成功することも無い。続けるということで、次の可能性も意欲も出て来る。続けていることで、目には見えない、ある空間、間合いが生じるんだ。」
「日本には、損して得とれ、という言葉があるのだけど……。」
「続ける為には、目先のことだけにとらわれてはいけない。続ける為には、時には損をすることも在るんだ。損を怖がっていたら、商売等出来るもんじゃない。いずれ、何処かからでも、取り返せばいいんだ。時間は無限にあるんだから。日本の人も賢いねー。」
この哲学は日本の商人のセンスとも同心する。あとは、粘りと、日本で言うところの、飽きない(商い)ことなのだろうか。これは、あらゆることや仕事に応用出来る。

 ニュースに戻ろう。
 人は、自分の状況に合わせた、必要な情報をみる。そして、人を一喜一憂させる。そこで、一応、退屈は一掃される。逆に言えば、一喜一憂したくなければ、ニュース等忘れ、無心であれば良い事になる。でもそれが、最新の、目の前のリアルな「NEWS」なのかもしれない。

マインドは反応し、無心(ノーマインド)は共鳴する。
そして、人はその両方を必要としている。生きる為に…