ダンス オブ ザ ムーン。これは、デヴァカント(バンスリ、インドの竹のフルート奏者)の音楽CD、「神秘の舞い」の中の一曲名。
他にも、月にちなんだ彼の傑作がある。それは「Blowing Zen」(吹禅)と言うCDに入っている一曲で、「月を指差す」(Pointing to the Moon)という曲だ。これも彼の真骨頂だ。名人の吹く笛に勝るものはない。竹のフルート、バンスリや日本の尺八のトーンは、脊髄の意識に直接響く。頭が仲介する必要は無い。直に聴くことが出来る。それは、月とランデヴーするにはいい。月が直ぐ近くにまで寄って来る。わざわざ、月まで行く必要はない。
月はひと月かけて、一巡りする。
クレッシェンド、デクレッシェンド。新月から新月へ、満月から満月へと舞いを舞う。
その舞いに誘われて、朝、天の岩戸から太陽神が現れるのだという言い伝えも在る。
三日月というのはいい。形が美しい。満月もいいが、三日月には満月にはない可能性,未知への期待感がある。アジアで、仏教、ヒンドウーの人、そしてイスラムの人々は、三日月が好きなようだ。
知覚の上で,ある種の力を感じさせるからかもしれない。形の持つ力の一つだ。
又、三日月には、満月となる可能性が残されているからなのだとも思う。
その可能性に魅力を感じる人も多いだろう。
新月や満月は、人の目から見れば、それぞれ頂点を表している。そこに魅力があるのもよく判る。ラオスと言う国は満月を国旗にしている。だが、どんな形の月もそれなりの,独特の美しさがあるのではなかろうか? 最近,どれが一番等と安易に言えなくなってきた。全ての様相は、変化のプロセス。
以前、インドで見つけた魔物がいる。魔物と言っても,ガンジスの女神「ガンガー」の眷属。余り知られていないマイナーな神様で、当然、ガンガーに関わっている。この魔物、「月を喰うライオン」という。 ライオン(シンハー)は、嘗てアフリカだけではなく、ヨーロッパやインド、イランにもいたそうだ。多くは、殺されてしまった。つまり、人間ほど、恐ろしい動物はいないのだ。
インドのライオンは、今ではわずかな数が生き残っていて、保護されている。
この「月を喰うライオン」の足下には,ひまわりが咲いている。
この事は、太陽の力を表している。それは、知力や行動力、エネルギーを表している。
ステイタスを表している。だから、堂々としている。
しかも、身体の中には、沢山の月が見える。
月は、直感力や受容性、知恵を表している。
そして、月は,幸運のシンボルとも言われる。
月は、“ツキ”に通ずる。その辺の解釈は、日本もインドも共通する。
幸運をもたらすライオンなのだ。
ガンジスの水を飲んだものには取り分け優しいという。
“明月や 水を掬えば ツキは手の内”
Good Luck!
2007年1月17日水曜日
月を喰うライオン
時刻: 6:10