最近よく聞く言葉の一つにマクロバイオティックスと言う言葉がある。マクロバイオティックスとは、陰陽の原理をもとに取り入れられた自然食中心の食生活と、それに基づく健康法のことだそうだ。 1970年代に、瞑想や東洋指向の考えから起こり、既に欧米に広がりを見せている。アメリカの州によっては,小学校からタオを教え始めている。自然に生きている人にしてみれば、ごく当たり前の考え方。 筆者はインドに10年以上も暮らしていたのだが、殆ど菜食、ベジタリアンの食事で、全く不満がなかった。元々,スパイシーなインド料理が好きだった所為もあり、毎日食べても、決して飽きる事がなかった。たまには、鳥や羊、魚貝類も食べたものの、元々からの野菜好き、地元の食べ物(インド、チベット、ネパール)に満足していた。 私の場合、いい加減に食べているようでも、一つ一つ思い出してみると、トータルではいい塩梅(あんばい)のバランスが取れているようだ。内蔵の代謝能力や分解能力が鍛えられたのかもしれない。此処の所が一番大切だね。もしかすると、それは、翡翠の効果かもしれない。 翡翠(ひすい、ジェイド)は肺、肝臓、腎臓といった内蔵の働きを助けるという不思議な石とされている。良い翡翠は見ても触っても美しいイが、単に、視覚的、装飾的な宝石ではないのが特徴だ。内蔵を保護したり強化する効果があるストーンだそうだ。筋肉は鍛えられても、内蔵は中々鍛えられないからね。翡翠の波動そのものが、子供のときから気に入っていて何時も身に付けている。水晶とは,働き方が違う。両方とも大切だ。
基本的には、食べる人が、今いる所でとれた食物を中心にその土地の旬の野菜や穀物を主食材とするという事。地に触れて、普通に生きるという事なのだ。そこの土地の食物を通じて風土の波動を吸収し、イン・チューン(調和)し易くするためである。
また、陰陽に基づくバランスを重視し、東洋的な生活を取り入れたアーユル・ヴェーダ等のインド医学や中国の漢方医学を参考にした心身の健康法、或いは、長寿法と言ったらいいだろか。肉食中心だった、欧米人には大変な革命であるかもしれない。
また、瞑想という、嘗て経験のない文化、知恵の影響は大きい。所謂、日本食やインドやアジアの料理をモデルに、西洋人達の食生活を自然に近い形で改革しようとする、心身の健康法。肉や魚の量を減らし、穀物や野菜を増やすという事らしい。しかも、出来うる限り地元の食物を積極的に取り入れる。これは波動力学の観点からの意見だ。
インドには,仏教とヒンドウーのタントラ、ゾクチェンの勉強に行っていたのだが、タントラに於いては、何を食べようと,何を飲もうと,何を吸おうと自由であった。当たり前の話だが、自分の身体の声を聞き乍ら、自分で判断して決める事が、何よりも大切だからだ。そして、地元の食事に全て満足していた。その上、何といっても地元の料理は外国の料理に比べても,安く上がるのだ。何処でもそうなのだが,料理法は別にしても、地元の食材はその土地の風土に最もマッチしている。だから,不都合な要素が少ないのだ。自然なのだ。だから旨いのかもしれない。
無いものは牛蒡(ごぼう)位で、ジャガイモ、大根、豆類、豆腐、穀物、葱、カリフラワー、人参、各種のフルーツ、ナーンやチャパティー、米ばかりでなく、麦、蕎麦(麺としてではなく、チャパティーやパン、ビスケットとして食した。粟も含まれる。)と言ったものも含まれていた。未だに知らない名前の野菜や食物は沢山ある。いわば農業大国なのだ。特に野菜は、穀物、根のもの、葉のもの、実のものといろいろとヴァラエティーに富んでいた。マンゴーやパパイア、バナナも料理に使い、逆に、キュウリや大根や蕪(かぶ)をおやつ代わりのフルーツとして食べるのも面白かった。ライム(インドではニンブー、タイではマナオと呼ぶ)を料理に沢山使うのも良かった。
ミルクやヨーグルトも、チーズも、インドのスペシャリティー。今、世界中で最も乳製品を取るのは,インド人とアメリカ人だそうだ。私は特にチーズとヨーグルトが好き。濃いミルクの入ったチャイも旨い。ヤクルトは、タイにもあり、今でも毎日飲んでいる。
それは料理法が素晴らしかったのと、インドの野菜には力があると感じていた。聞いた話に拠ると、インドの土壌はカルシウム土壌、その上、桁違いの太陽の力、高温多湿の気候に拠るところが大きいと思う。
その後、身体の方が要求してくるものを、出来るだけ食するようにしている。その土地の産物を出来るだけ食べるようにしている。身体は頭よりもずっと賢いからだ。自分の「身体の声を聞く」ことは、健康にも、精神の上でも重要な瞑想の一つになる。それは、内観を通じて起こって来る。
体力を使うときには、肉も食べるし、魚貝類もチーズも食べる。だがプロレスラーでもあるまいし、基本の野菜や穀物、卵や乳製品がしっかり取れていれば,意外と、充分なのだ。使うエネルギーの質や量に拠っても変わって来るが、栄養を取りすぎないようにする事も大切だ。腹八分目か七分目くらいが適切。エネルギーの消費に合わせて、食事をとるようにするのがいい。その上で,食材を選び、量を量れば良い。
熱帯にいると、ただじっとしているだけでも暑いのでカロリーも栄養も水分も消耗してしまう。だから、割と沢山食べて水分も沢山取る。消化のいいもの、バランスのいいものを心がけてはいるが、夏バテ、暑さ負け等と言っている暇はないのだ。
タイの人々は一般的に,一度に大食するというよりは、少なめに,回数を多く食べているようだ。一日、5〜6回食べる人もいる。だから、一寸見では、四六時中何か食べているようにも見える。その代わり、一度の量が少ないのだ。その考え方も、胃腸に負担をかけないのかもしれない。おまけに、豆乳、ヨーグルト等はよく取っているみたい。生野菜を良く食べる。塩の代わりにナンプラー(魚醤)を使っている。これがいいのか、悪いのかは判らないが、喰い道楽の国だけに、しっかりやっているみたい。
知り合いの親戚のお婆ちゃんは120歳くらいだそうだが、毎日バナナばかり食べているのだそうだ。勿論他のものも少しは食べているんだろうが…
後は、身体や、自律神経の方が自動的にバランスを取ってくれるようにしている。それも私の健康法,ストーン・メディスンの一つ。
2006年12月1日金曜日
マクロバイオティックス
時刻: 18:36