2006年11月13日月曜日

パワー・アニマル


旅と言われるものの中には、動物の姿を持った、「盟友」に出合う事も重要な旅である。

いずれ、将来、冒険の旅のガイドや先導、アドヴァイスや知恵を授けてくれるかもしれない。

どのカルチュア(文化)に於いても、ある種のアニマルは、その地域の文化の歴史や地理にフィットする、特徴や強さを持っている。

体験的に言うと、鷲、馬、象、ヤク、牛、鹿、鳥、それに犬や、猫と言った動物達と親密であった。

いまでは、世界中の動物達や、イメージ上の動物達とも親密になれる。

その記憶だけでも、何か、途轍もなく素晴らしいものがある。

 ヴィジョン・クゥエストであれば、ことさらパワー・アニマルの力が必要になる。

それは、自分の意識の領域を広げる為の下準備だ。

自分に取って、何が不足しているのか、パワー・アニマルは、盟友として、又,自分の潜在力を映し出す鏡として、何よりも重要だ。

私の母親も祖父母も犬をパワー・アニマルとし,愛していた。

又、その事を誇りにしていた節があった。

子供の頃からだから、言葉の通じないものと、コミュニケートするこつは容易に掴めたのだと思う。

 動物は何でも良い。自分が期待している動物とは、違うかもしれない。鼠やカワウソかもしれない。モグラやイタチかもしれない。

最初のうちは、文句を言わない事だ。それは、大げさに言えば、神の試練かもしれない。

そのうちに、フィットするパワー・アニマルガ何なのか、次第に判って来る。

自然と繋がる為には,パワー・アニマルの存在は絶対に欠かせない。

スピリットに関して言えば、人間以上に、敏感なのだ。

だが、慌てる事はないのだ。

 現在、サウスダコタに巨大な岩を削った彫刻が彫られ続けているが、そのモデル、偉大なスー族の戦士、「クレイジー・ホース」は、一時期、「ミミズ」と呼ばれた事があったそうだ。そのミミズの時代に、「力」の秘密を知ったのだという。

彼が聖者でもあり、無敵の戦士であったのも、ミミズの時代に培われたものなのかもしれない。

先ず、本当の自分、スピリット・ボディーをも知らなければならない。

きめ細かく、対応すれば、より多くのリアルな事が起こって来る。

 以前、10年以上も,ヒマラヤに住んでいた事があった。

その時,鷲や馬,ヤク,牛、馬、鹿、鳥、カワウソと言った動物達と親密になった事があった。

そのときの体験程、有意義な事はなかったと思う。

闇を探索し、何か新しい発見を模索する体験こそが,面白いのであって,上げ膳据え膳の文明のなかには、若い心は到底満足等出来ないのだ。

その為には,光りも,そして闇もとても重要なのだ。

闇がなければ,成長はないのだから。

どんな野生の生物でも、自分の師匠にしたり,盟友にする事が出来るのだ。

野生の力を知らない人間は,単に無力だという事を知った。

 犬は別にして、私の最初のパワー・アニマルは、馬であった。

夢の中でシヴァ神が馬に乗って現れたのであった。

シヴァは別名、パシュパティ(獣の主)と呼ばれる程,動物を可愛がった神なのは、ごぞんじだろうか? 

カトマンドウーには、パシュパティ・ナートという有名なシヴァの寺院がある。

普段は、ナンディーという神牛に乗っている姿が有名だが,馬や駱駝、象にも乗る。見た事はないが、白鳥や鷲にさえ乗る事もあると言われる。

 それは,私が、10歳くらいのときだった。

当時、シヴァという神など知る由もなかったが、それは後で判った事だ。

シヴァは天空を駆ける黒い馬に乗っていた。それは,一見普通の黒い馬にみえた。

いずれ、後にその場所を発見するのだが、その馬で、一気に、天空を駆け抜け、在る聖なる場所に連れて行ってくれた。

当時、病弱で、熱ばかり出していた私は、毎晩その夢を続いてみる事ができ、10日もすると、嘗てない程、元気になっていた。馬はそのときから、私の盟友になっていた。

夢と現実とが一つになった。今でもその場所を覚えている。

インドのラジャスターンのある場所とだけ言っておこう。何時か、もう一度,行ってみよう。来年でも行けたらいいな。

未だ知らない,夢の中の場所が、現実に実在していたのだ。

神秘は、現実だったのだ。

 最近は、長くタイに居る事も影響して,今では、鷲や馬や鳥や猫の他に、「象」が盟友になってきている。

インド同様に、あちこちで、本物の象に会う事が出来る。

象は、何といっても,百獣の王。

穏やかで、優しく、最も大きく,最も力がある。

どんな猛獣も、象から見れば,ガキ扱い。

向かってくるもの等、居ない。

 タイの人にとって、王室のシンボル、「ガルーダ(鷲)」とともに、象はタイの国家的「パワー・アニマル」だ。

しかも、ここバンコック、「クルーン・テープ・マハ・ナコーン(天使の都)」は、シヴァ神の都。

「シヴァ」と言うサンスクリット語の意味は、Benevolent, 善意、慈悲心(愛)、善行を意味する。

それが神格化したものだ。ブッダと根本的に意味に違いはない。技法は少し違うかもしれない。

*注「シヴァ・リンガ」を参照の事。

 此処では、シヴァは、「マタンガ(征服者)」という、勝利を象徴する「黄金の聖象」に乗って、雲の上を悠然と歩いている。

元々,インドでは一番高い所にすむ神様だ。文句を言う人は一人も居ない。

インドのイスラム教徒の中にも、シヴァだけは特別という人も居るくらいだ。

 悪魔を滅ぼし、地上に平和を確立し,喜びを表す黄色の衣服を纏い、純粋な喜びに暮らす。
タイの人々が,黄色の衣服をつけるのには、そんな深い意味があるのだ。

  オーン・ナマー・シヴァーヤ。