2006年11月12日日曜日

ドリーム・ヨーガ


 人はほぼ人生の1/3を眠って過ごす。しかも、その1/4は、多くの場合,夢を見ている。

今日は,夢の話ではなく,夢についての話だ。


 人が眠っている時は、新陳代謝の活動はゆっくりとなり、免疫力は高まり、ホルモンは増加傾向にあると言われる。成長ばかりではなく、身体の組織の補修も行われる。人に限らず、生命体というのは、実に良くできている。自然の道理に沿って、身体をコントロールできれば、病気にもならず、薬もいらない。長く健康で居られるし、第一、人生も楽しい。正に、一石二鳥。

 死んだら、身体は無くなる訳だから心配はいらないが、少なくとも生きている間は、身体を大切にしよう。身体がある故に,苦も生じるが、楽しみや喜びも身体があるからだ。薬に頼らずに、ぐっすり眠る事ができたら、自律神経もしゃんとしている訳だから、すべて、修復してくれる。薬に頼れば、何らかの偏りが出て、何れ、何処かに不調和が現れてくるのは、必定。

 睡眠がうまくいかなくなると、集中力,記憶力も弱体化し、結果的に、怒りっぽく,短気になると言われる。

直感力など何処かへ消えて行ってしまう。

そして、さらに不安要素が増大してしまう。

そうなると、あらゆる歯車が狂い始める。

悪循環はさらなる悪循環を生み、身体にも精神にも変調を来してしまう。

人の健康の要は、そして幸福の要は「熟睡」と「良い夢見」に負っていると言っても過言ではない。全ては,無意識の深みから起こって来る。


 夢の世界に入る事は、何事でも起こる世界には入り込む事でもある。

それは,無限の可能性を秘めた、魔法の世界。

夢見るものは,空を飛ぶ事すら出来る。宇宙に飛ぶ事も出来る。

姿が変わり、中空を歩いたり、太陽の海で泳いだり、時にはあらゆる思考を超えた、言語を絶したイマジネーションが現れる。

夢を見ているものには,夢は、日常の現実と同様にリアルなのだ。

夢見る事を通して、スピリットが身体に直に働きかける、それが夢。

それは、夢見るものの、人生と経験に関する、「寓意的な枠組みの様々な情報」に関わる事なのだ。

日常世界も夢見で変わり,日常が変われば,夢見も変化する。

相互依存の関係に在るのだ。

人がより良く生きようとする要のようなものだ。

 だから、夢は非常に大切だ。

世界は夢であるといってもいい。よくよく考えてみれば、夢で出来ているのが世界だ。

「全ては夢である。」、とは言っても誤解しないで欲しい。

夢だから、空しいとは,言っていない。

それは、夢次第だ。

過去に於いても、ギリシャ、エーゲ海、ローマ、エジプト、ペルシア、モヘンジョダロ、チグリス・ユーフラテス、ネイティヴ・アメリカン、アボリジニ、ムー大陸、レムリア・・・・。

全ては夢のようだ。

そして究極的には,夢見るものが夢をコントロールする能力を持つ事が可能となる。

それは,自己のパワー,能力、知力にかかって来る。

 この魔法の世界に熟達したメディスン・マンやシャーマン達は、現実の世から逃げる訳ではない。

むしろ、積極的に、両者を共に受け入れているのだ。

出入りは自由、そして現実すらも,夢の一部として見る。

 夢を通して,人は異次元に入る。人は,それを毎晩のように行っている。

この異次元は、無限の可能性を秘めている。

夢を見ている時,人はその人なりの「聖域」で夢を見るのだ。

人は自分の「聖域」を清める為に,或いは広げる為に、聖地を巡礼したり,瞑想したり、旅をしたりするのだ。それを、瞑想と言ってもいいし、タオ()といってもいい。

夢の旅が始まる時、その異次元においては、何が起ころうと、何に出会おうと、心を開いていなくてはならない。

自分の直感力を信じ、その流れとともに行く。

何が会っても、逆らわない事が,先ず大事である。

無理をしない。

人生の生き方にもそれは反映して来る。

 夢を変えたいという望みは,現実の何らかの恐怖、痛み,苦痛、怒り、悲しみ、不満が原因だ。

そこで、夢見を変えるこつが、必要になって来る。

肉体的にも、無意識の世界にも,力をつけなければならない。

今回は,夢についての概略についての説明としたい。

 安心した夜の眠りは、夢の為の環境創造の必須条件だ。

といっても,ベッドを絢爛豪華に飾り立てる必要はない。

昼間のストレスから解放する為に,寝室の色や光りの具合は,穏やかでソフトな方が良い。

脱いだ衣服や、がらくたで部屋を散らかさない事。

又、眠る数時間前にはカフェイン(お茶やコーヒー)を取らないようにする。

そのかわり,ミルクや、カフェインのないハーブティーに変えれば良い。それを、儀式にしても良い。

入浴時にエッセンシャル・オイル、アロマテラピーに使うオイルを使う。

風呂場の電気を消し,ろうそくにするのもいいアイディアだ。

ラヴェンダー、カモミール、ジャスミン、レモングラス、ロータス、サンダルウッド・・・・・・。

今ではいろいろなものが手に入る。

枕に少し振りかけてもいいし,眠る前に,特に足首,足の裏をオイルでマッサージする。

フット・マッサージはいい。

眠りに入る時、お香があれば,良い導入効果がある。異次元へ容易に繋がり易い。インドやアラビアのものがいい。

要は、眠るものに取って、寛ぎと癒しの天国であれば良い。

アメジスト、紫水晶を枕の下に入れて眠るのは,古代からの伝統だ。

少なくとも,悪夢は避けられる効果がある。

 要は、日常の生活を切り離せば良いのだ。

蛇がとぐろをほどくように,身体をリラックスさせる。伸び伸びとさせる。

ただ其れだけで良い。難しくはない。

個人差、男女の違いはあるかもしれないが、自分で見つけなければならない。

 出来れば、寝室に,テレビやコンピューターを持ち込まない事。

これだけでも,非常に効果が高い。

必要なら,眠りに入る時、何か儀式を行っても良い。お香はいい儀式になる。

より,眠りに集中出来る。睡眠用に決まったものを使えば、儀式になる。

 何時もより,早く眠りに着き,その分,朝早く起きる。

朝のよい目覚めは,夜の熟睡の為の環境を整える。昼間、エネルギーを発散し易くなり,ストレスが貯まりにくくなる。そして、早く眠くなって来る。

 ブッダの涅槃仏の姿を御存知だろうか?

右側を下にして,左側を上にして圧力をかけないようにしている。

右利きの人は,特に昼間の活動中、右側の力を主に使うようになる。

そうなると,左側の方は自ずと閉ざしてしまう。

そこで,寝るときは,その分を「解放」してあげるという配慮だ。

左利きの人は,その逆を行えば良い。

仰向けが良ければ、それでも良い。そのときの気分で決めれば良い。

『夢、その3』で説明したように,夢日記を付けるといい。

自分の特徴、特性を知る事が出来るからだ。

これは、瞑想にもなるのだ。

 ヨーガの本来の意味は、繋げる事。

英語ならば、ジョイントなのだ。

意識と潜在意識、昼と夜、光りと闇、心と無心、様々な要素を繋ぎ合わせて、トータルにして、健康体にする事なのだ。

好き嫌いは別にして、あらゆるものが存在するのは、必要だからだ。

人工物は別にして、この世に不必要なものは一切ない。

それが、自然という意味である。

人は、どうしても、部分、部分に集中してしまう。

それが、エゴの何たるかだ。

本来、必要なものも、不必要にしてしまう。どうでもいいものを必要にしたりもする。

使う筋肉も、使わない筋肉もある。

使わないからと言って不必要なのではない。

それは、本人の癖だ。

癖から、偏り、アンバランスが生じて来る。

だが、ノー ワリーズ! ノーバディー イズ パーフェクト。
完全な人等、まず居ないというのも事実。だが、調整できるのだ。

「自然体」を参照の事。

 もし、どうしても眠れないことが起きてしまったら、眠ろうとしない事だ。
それが何であれ、努力は寛ぎを破壊する。逆効果になる。
寛ぐ事の第一は,「無努力」なのだから。
眠る事すら忘れてしまうのがいい。緊張を解きほぐすのだ。
ゆったりとして、起きていれば良い。
いつかは、自然に眠くなってくる。

今回は眠る事が主体になったが、次は,夢見の技法について展開して行こう。