2006年9月1日金曜日

お化け

 お化けはどこの国にもいる。だが、お化けは、幽霊じゃない。幽霊とは、成仏出来なかった死者が、この世に姿を現したもの。私は見た事がないので、何とも言えない。
 精霊が、何らかのの姿をもって現れる想像上のもの、それがお化け。これはアニミズム、精霊信仰の多い所には現れるらしい。ナーガやがネーシュもはいるかもしれない。ガルーダなんかも人と鷲との合成お化け。ヒンドウー、仏教界を自由に飛び回る、ヴィシュヌ神の眷属。
タイの王室の紋所となっている。


 また、竜やユニコーン、ヒンドウー世界の神々や道教の世界には、お化けのようなのが多い。キョンシーはお化けだろう? もっとも、それは、何らかの暗喩であったり、たとえ話がもとになっている。

 でも、子供達は、そんなお化け達がだいすきだ。想像力にまかせて、新しいのがどんどん生まれてくる。夢の中からうまれてくるのも多い。もしかすると、深層の時空のゆがみから現れた宇宙人かもしれない。動物、怪物、宇宙人、幽霊から転換したお化け。ろくろっ首、一つ目小僧、唐傘のおばけ、一寸、古いね。

 ミッキー・マウスやドナルド・ダックもお化けに入るかもしれない。ポパイはどうだろう? キティちゃんは、女の子に人気がある。セサミ・ストリートのお化け達も捨てがたい。タイで人気のアメリカのキャラクターは、何といってもトムとジェリー。これは、世界的といってもいいかもしれない。普遍(ユニヴァーサル)なキャラクターだ。
 色々なキャラクターとされるのも、お化けとまでは言えないまでも、人気は根ずよい。流行とはおもしろい、世情が反映される。タイでは、ドラえもんがいまだに人気がある。日本の漫画と言う文化は、タイにも浸透している。そういう意味では、様々なキャラクターやお化けは、人の、世情の鏡の様なものかもしれない。

 兎に角,愛嬌もあり,悪役でもかわいげがある。彼らはみんな子供達の夢、そして心の支えになっている。大人が管理しようとすればするほど、お化けの勢力は拡大を続けるのだ。知らないうちに大人の世界にも、どんどん侵入してくる。キリンビールの麒麟、つまりユニコーンもやはりお化けだ。もともとは、インドの森の神話らしい。麒麟はそれが、中国に伝わったものだそうだ。
 ゴジラもラドンもそんなお化けの仲間だし、ゲゲゲの鬼太郎などは、スーパースター。政治や経済の世界には、お化けがいっぱい。お化けにアラザレバ、人に非ずってことかな? 女性などは、始終、化粧という、お化け行為をやっているし、芝居や映画も役者が化けるのだ。

 先日、あるデパートでお化けの大会があった。お化けが、3〜400も一度に現れると壮観だ。世の移り変わりとともに、新しいお化けがどんどん誕生してくる。そいつらは、みんな人や子供の心に入り込んでくる。お化けは、人の心にすむ何かが、不満や希望が、或は楽しみが形を持ったもの。人の産物だ。だが、誰にもとめられない。

 いずれ、お化けがこの世を乗っ取るかもしれない。お化け対策は出来てるだろうか? 何もできてない! いざとなったら、どうするの? ま、いいか、お化けになってしまえばいい。