インドの伝統医学、アーユルヴェーダ(生命の科学)によると、人間の身体宇宙には、六つの特性が必要とされるそうだ。それはビタミンとか、カルシウムといった分類とは違ったモードになる。何か、ラーガ(インド音楽のモード)みたいだね。
そして、人の身体は、五つの特性で成り立っていると言う。ペンタクル(星型のデザイン)は、ヤントラ(神秘図形)として、人の自然体を現している、と言うことがすでに数千年喪の古代から、すでにあったらしい。
その5つの特性とは、空、風、火、水、地、と呼ばれる。その五つが、相互依存しながら、平衡を保っていることが、健康と言われる。若いうちは、少々偏っていても、無理が利くのだが、年を取るにつれ、そうはいかなくなってくる。
健康の定義となると難しいが、しいて言えば、病気でないこと。元気であること。気分がよい事。ヒンドゥーの人だったら、健康とは、ガンガー(ガンジス)の水を飲むことと言うかもしれない。女性にとっての健康は、美容と言うかもしれない。
人の生活が、何らかの敵対的な力に直面したり、眠りこけたような状態や、無理な習慣が長く続けば、健康は当然害される。それは身体からの注意信号だ。信号が現れたとき、それに伴って、生命力や抵抗力も、免疫力も落ちてくる。それは、自然の道理である。出来るだけ、早くきずくことが大切。
アーユルヴェーダに因れば、人は最初に述べたように、6つの特性、味わいをバランスよく取り入れなければならない、と言われる。
まず最初に、甘さ、これは、砂糖をすぐに考えがちだが、その外にも、穀物、肉類、魚介類、油、多くの野菜や果物も含まれる。身体宇宙を支える、大地のエネルギーのようなものだ。
次に、酸味、レモン、ライム、みかん、りんご、すももといったフルーツや酢、これは人体宇宙の太陽にあたる。
そして、塩分、これは海の力。人間、水と塩さえあれば、10日くらいは生きられるそうだ。もっとかな?生命に関わる大切なもの。そして、料理にもかかせない、味の要となるのが、塩加減。
それから、辛み。胡椒、カレー粉、様々なスパイス、ウコン、生姜、にんにく、唐辛子といった香辛料。此れが欠けると、まず、ヴァイタリテイーが失われてしまう。健康には欠かせない。スピリットの部分。
苦み、これはマインドの作用にも影響を及ぼし、身体にとっても大切。にがうりを始めとする、野菜。魚のはらわた、ナンプラー、苦いお茶やコーヒー。これも必要不可欠である。
そして、渋味、これは、人のインテリジェンス、月の部分、脳の働きに影響を与える。様々な漬物、野菜、ある種のフルーツ、スパイス、カルダモンやねぎも含まれる。
六つの宇宙の味を紹介したが、どれが欠けても、健康を害してしまう。そして、その組み合わせの妙から、7番めの「旨み」と言う、生きていく喜びや幸福にも影響する、新たな次元がクリエイトされる。
アジアは、古来から、医食同源。さまざまなスパイスを絶妙に組み合わせて、旨みと健康との両者を維持してきた。どういう組み合わせがよいかはそれぞれ、好き好きもあろうが、生活の中で、調和を意識しながら、「程よさ」問いう、絶妙なセンスが生じるといい。それが、その人の「普通」と言う、最高の状態に近ずく、条件となろう。この「普通」は、それぞれ個人にとっての普通であって、観念的で、あいまいな世間的な普通とは少々異なるかもしれない。
お茶にしようか。今日は、沈香茶がいい。
2006年8月2日水曜日
宇宙はどんな味?
時刻: 19:20