2006年4月10日月曜日

お茶とビスケット。


 ビスケットと言うと、一般的に、小麦粉、卵、砂糖、バター等を,水で混ぜてから型で抜いて焼き上げたスナックだが、ビスケットの語源は、フランス語で「二度焼いたもの」と言う意味らしい。
バターが多く柔らかいものを、クッキーと呼び(主にアメリカ)、甘みの少ないものをクラッカーと言うらしい。
クラッカーは判るが、ビスケットとクッキーとなると、明確な区別はないようだ。

 私は、イギリス流の、粗引きの小麦粉をベースにしてこんがりと狐色に焼き上げた、一寸、ぼそぼそした素朴なビスケットを、濃いミルクを入れた、紅茶と一緒に食べるのが好きである。
中でも、生姜の入った、ジンジャー・ビスケットは、大好物だ。
先日、ベルギー製のおいしいのに出会った。

 3~40年程昔のイギリスの郊外等で、車やバイクでドライブの途中、川辺や草っぱらで、バスケットをとりだして、お茶の道具とビスケットや、サンドイッチ等を取り出して、ピクニックとしゃれ込む、人々が大勢いた。

 今の日本だと、余程、田舎へ行かないとかなり目立ってしまい、落ち着けなくなってしまいそう。
昔は、日本にも、一寸大げさだが、「野点(のだて)」という、粋なあそびがあったのだ。
私は、バイクと魚つりが好きだったので、弁当の他に、必ずお茶かコーヒー、そしてビスケットを必ずバッグの中に忍ばせたものだった。

 インドやネパール、パキスタン、或いは、チベット族の多い所を、旅していても、チャイ(ミルク・ティー、スパイスが入る事も有る。)と、ビスケットはどこにでもあった。
海抜5000メートルの山小屋にもあったし、都市の安宿街でも何処にでもある。
意識することなしに、幾つかのビスケットを買い込んでいた事が、習慣になっていた。

 何故なら、お茶とビスケットがあるだけで、その土地の持つ「風土のエッセンス」を、より直に感じられるからなのかもしれない。

 朝、食事を用意するのが面倒な時、よく、ビスケットで腹のたしにした。
お菓子と言うよりは、もう簡易携帯食だ。

 お茶に関しては、香りのダージリン、コクのアッサムでも、ミルクやカルダモンとの相性(フィットネス)の良いのがいいと思う。まあ趣(おもむき)の世界の話だから、どうでも好きにやればいいと思う。
「茶は心」だからね。

 どちらかと言えば、道路わきや、川べり、海辺でもいいが、石にでも腰掛けて、辺りの風情を楽しみながら、食べる方が、家のなかで食べるよりおいしい。
出来れば、お茶も一緒に、散歩やドライブに」出かけたいものだ。

 バスケットに入れてね!