2006年3月11日土曜日

マイ・ペン・ライ

最近、バンコックで一寸した嬉しいことがあった。
バスにのって、きずいたのだが、エアコンバスだった。少々、料金が高い。
切符を買おうとしたのだが、大きな札で、お釣りが無い。
小銭は一バーツ(三円)足りない。そうしたら、車掌さん、四十くらいのおばさんだったんだけど、
「一バーツ、いいよ、私が立て替えておく、マイ・ペン・ライ!」といってくれた。

マイ・ペン・ライとは、タイ語の中のタイ語。マイとライにアクセントがつく。
タイ文化の象徴的な言語。言霊も素晴らしい。
O.K., オーライト、大丈夫、心配ない、安心 といった意味だが、かなり切迫していても、マイ・ペン・ライ。どうにかなると言う、タイらしい、楽観主義的なことば。
だから、マイ・ペン・ライと言われると、安心してしまう。

公共料金をおまけして貰ったのは、あとにも先にも、 初めて。
丁度、クロワッサンを幾つかもっていたので、それを、ビニールの袋に入れて「後で、食べてよ」といって渡したら、気持ちよく受け取ってくれた。
厳密にいえば、公務員だから、賄賂はまずい。

バスを降りるとき、お互いに「有難う」をいいあった。
何か、全然、たいしたことではなかったのだけれど、朝、嬉しいことがあったお蔭で、その日一日が、素晴らしく、ハイになった。一寸、クリエイテイヴな事が、あると、一日が、生き生きとしていた。

マイ・ペン・ライ!