2005年11月7日月曜日

Funの力


 Fun(ファン)の力。それは楽しみ、喜び、戯れ、面白み 或いは一寸ふざける事。大げさに言えば、人生のエッセンス。と、言葉の上では、何とでも言えるし、色々な意味がある。では、実質的な意味では、一体全体何なんだろう?

 Funは、Fan(扇風機のファン、或いは熱狂者、フェナテイック)というのではないので、誤解の無いように。
 それは単に、Joy(喜び)やPleasure(楽しみ)とも少し違うが、Funにはその両者の要素が含まれていて、ときにはふざけたり、冗談だったり、何であれ、自分の楽しみなり、面白み、幸福感、或いは、自分の趣(おもむき)を意図した(プロセス全体)をFunと言ったら良いだろうか。
 このことは様々な欧米人と色々と意見の交換をした。 Funは全く個人的なので、それこそ百人百様だと思う。 最高のFunは,禅やタオ(道)或いはタントラで言うところの、無心、無為、或いはシュンニャ があり,その延長線上には、また無数のFunがあるが、普通のレベルだったら何かの行為をしている時、常にその行為者にとって、(良い、面白い、正しい)と感じられる時、それはFunだ。
時間と状況を見て、無理をせず、あなたが好きな事をすればよい。

 Funは心の均衡、平静、平安、心のバランスを、モニターするのに、最もベストで、シンプルな方法。Funは何も特別なものじゃない。それは、バランス感覚そのものだ。
ある種のメディテーシォンと考えても良いと思う。
バランスのとれた生は、FUNなのだ。

 こんな意見もある。Funはそんな甘っちょろい、お菓子のようじゃないし、笑えるものでもない。Funとは、シリアスなビジネスそのものだと言う人もいる。Funは、それを通して、センスがシャープでしかも豊かになってくる。

 Funは喜びや楽しみを高め、苦しみや悲しいこと、つらい事を、減らしてくれる魔法のような効果がある。何かのプロセスをやり終わって、振り返ってみて、満足感、気分、達成感、そのトータルがFun.ダイヴィングやトレッキング等は、これに当たる。
 Funは、人の情感を歪めたり、損ねたりせずに、人を生まれたままに近い、自然な状況の気分にさせてくれる。Funが旨くいくと、Function(機能)となる。語源を調べると面白い。

 何かに夢中になっている時、人は(時が飛ぶ)事を知っている。
その超越感がFun.
人が実際にFunの真っ只中にいる時、Funを手中にしている時、その行為の中に自らが失われ、無我の状況にある。
気付いたことあるだろうか。時が意味を失う。音楽でも、舞踊でも、それはFunだ。

 何かの行為として、肉体的な体温と時間感覚とリンクして、実質的な体内時間が生じてくる。
そして人のエモーショナルな、情感の面を、Funと呼ぶ。 
そこで流体力学的な効果が生じ、いわゆる,(ハイ)になる。
このとき、人は気付きのあるなしにかかわらず、非常にポジティヴなエネルギーを、チャージしている事になる。
このエネルギーは上昇気流のように、時を飛び続けさせ、世界という感覚の次元を新鮮にする。
そんな経験をした事は、ないだろうか?

 Funの一つにこんなのがある。それは「ベアフット ウオーキング」。
こんな簡単な事は無い。ただ釘とかガラスの破片等の不安の無いところでやりたい。
畳や板の間、或いは、大理石のひんやりした床を裸足で歩くのは、Funだ。
安全な土の上や白い砂浜を,キュッ、キュッといわせて歩くのは、格別。

 BGMに、スローなレゲー、ボサノヴァ、タブラをフューチュァしたインド音楽、スパニッシュ・ギターのパコ・デ・ルシァ、カフェ・デル・マーレ何かも素晴らしい。

 それは、自然の実質(サブスタンス)から、引っこ抜かれた大根のように、自然から絶縁しつつある人を、自然の大地のレベルに戻し、健康やメンタルな面のバランスを取り戻すことだ。
余分なエネルギーの雑音が、アースされて整流されてくる。

 子供の頃,川の渦を巻いている所を見つけては、よくそこを目掛けて、飛び込んだものだった。
強力な渦に巻かれても,逆らわずに、無為のうちに、成されるがままに深い川底まで持っていかれる。そのうち、渦のほうが、どうしても手放さなければならない所まで、無為でいると、10メーター位離れた所に、ポッカリと首を出すことが出来た。
そのプロセス全体が理にかなっていて、しかもFunだった。

 空気が綺麗で、海や川が近くにあれば、言う事が無い。大地や砂の良いところで泳げれば、人工的なプールより、何倍も効果がある。只、最近の人の多くは体力も運動神経も虚弱なひとも多いので、自分の能力を知るという事も、事故を防ぐ意味で重要だ。別に水に入らなくても、遊べる事は沢山ある。

 Funを持つこと。それは(力)を増し、生命力を高めてくれる。自分の好みは自分でクリエイトしていきたい。

 人生に意味と云うものはもともとない。それはレディメイドじゃない。人生にいみを持たせるのは、人、個人しかいない。
プレイ イット バイ イヤーズ(Play it by ears)、臨機応変に楽しんで生きたい。生に意味を見出そうではないか。