2006年9月6日水曜日

おいしい料理


 私の好きな、タイ料理がある。
鱸(すずき)を蒸して、ショウガとプラム・ソース(梅酢)のあんかけソースをかけた料理だ。
鱸のいきのいいのがありそうな時、食べたくなってしまう。
煮たり、焼いたり、揚げたりといった料理が多い中で、蒸し魚は味が淡白で、暑い時には実に旨い。

 白身の魚なので、淡白で柔らかな味付けがいい。
塩焼きにして、醤油とライムをしぼっても旨い。
大根おろしに、薬味があれば、言う事がない。
これは、もう日本料理に入ってしまうかもしれない。

 何れにしても、どんな肉料理よりも上品に思える。
それは、腹に負担にならず、消化もよく、もたれないという事もあるかもしれない。
食欲のない時、ショウガと梅酢のさっぱりとしてデリケートな味付けはたまらない。

 どんな料理も料理人の腕とセンスにつきるのだが、他にも、蒸した赤貝を甘辛のソースでたべるのとか、エビは炭火で焼いた単純なのがおいしい。あとはライムを絞ばそれでいい。
アサリをバジルと唐辛子で炒めたのも、ご飯のいいおかずになるし、付け合わせに空芯菜炒めでもあれば、ご飯のおかわりを頼まざるをえなくなる。

 日本ではなじみがないかもしれないが、プラ・チョーン(雷魚)、これが美味。
蒸しても、油で揚げても、様々なソースで食べるとおいしい。

 サラダとして、有名な、イサーン料理(東北料理)のソムタムがあるが、それとはべつに、ヤムというサラダがある。
季節の生野菜に、肉やエビ、貝、それと茹でたビーフンとを合えたもの。
これは、日本式の醤油、酢、ごま油、或はレモンかスダチ、かぼす、それにネギや香菜(パクチ)でアレンジすれば、おいしく食べられる。
ビーフンの冷やし中華風サラダといったところだろうか。

 どんなに暑うても、食欲が落ちないのは健康である証拠。
それだけでも、幸せなものだ。たまには、伽羅蕗の佃煮におにぎり、豆腐のみそ汁など憧れてしまう。
日本いれば、何て事ないのだが、ここでは貴重品目。 

 だが、健康なのは、たまにたべるスパイシーなタイやインドのカレーのおかげかもしれない。
最近の気に入りのカレーは、タイのゲーン・マッサマン。野菜がたくさん入っている。
ココナツ・ミルクや、カルダモン、ナツメッグの入った濃密でスパイしーなカレー。
値段も安く食べられるのがいい。
これが、今の所、健康の薬になっているような気がする。たまにカレーを食べていれば、何でもおいしく食べられる、という事かもしれない。